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「PowerMatrix」 第14類「親時計,計時用具,原子時計」

◆対象商標:
「PowerMatrix」
第14類「親時計,計時用具,原子時計」
 
◆種別と異議申立番号:
異議の決定
異議2017-900258
       
◆異議決定日:
2018-02-05 
 
◆関連条文:
商標法第4条第1項第11号
商標法第4条第1項第15号
 
◆引用商標:
(1)登録第4364527号商標 「POWERMATIC」
(2)国際登録第1208181号商標 「POWERMATIC」
 
◆結論:
登録第5950175号商標の商標登録を維持する。  
 
◆理由:
1 商標法第4条第1項第11号について
(1)本件商標について
本件商標「PowerMatrix」は、「力、能力」などを意味する英語「Power」と、「母体、行列」などの意味を有する英語「Matrix」の2語を結合したものであって、両語は、それぞれ一般によく知られている。
 
しかし、両語が結合されて、我が国において親しまれた熟語的意味合いが生ずるものではないから、本件商標からは、特定の意味合いが生ずるものとはいえない。
 
したがって、本件商標は、
 称呼:
  「パワーマトリックス」

 観念:
  特定の観念を有しない造語
となる。
 
(2)引用商標について
称呼:
 「パワーマティック」

観念:
 特定の観念を生じない
 
(3)本件商標と引用商標との対比
ア 外観について
本件商標と引用商標は、構成文字数の差、大文字と小文字の混在により構成されているか、あるいは、大文字のみで構成されているかの相違点を有する。

さらに、語尾において、「rix」と「IC」の文字の顕著な差異を有するものであるから、両商標において、上記相違点は、これらを時と所を異にして離隔的に観察した場合においても、外観上判然と区別し得る。
 
イ 称呼について
本件商標の称呼が長音を含み8音構成に対し、引用商標の称呼は6音構成と、その構成音数に差異を有し、また、両称呼の、後半部における「トリックス」と「ティック」の音の差異が両称呼全体に及ぼす影響は決して小さいとはいえず、それぞれを一連に称呼した場合には、両称呼は音調、音感が異なるものとして聴取される。
 
ウ 観念について
観念上比較することはできない。
 
エ 以上より、本件商標と引用商標とは、観念において比較できないとしても、外観及び称呼において判然と区別し得るものであるから、互いに紛れるおそれのない非類似の商標であって、別異の商標というべきものである。

 

(4)小括
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
 
2 商標法第4条第1項第15号について
(1)引用商標の周知・著名性
申立人提出の証拠からは、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、引用商標が申立人商品を表示するものとして、我が国の需要者の間に広く知られていたということはできない。
 
(2)出所の混同のおそれ
引用商標の周知・著名性は認められず、本件商標と引用商標とは、非類似の商標であることから、商品の出所について混同を生ずるおそれのある商標ということはできない。

 

(3)したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
  
  
◆コメント
両商標は、称呼において後半部の4音または5音が相違するため、類似との判断になることはないだろう。
妥当な審決であったと考える。
 
 
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